戸隠山

天の岩戸伝説の戸隠山
天の岩戸伝説の戸隠山

長野県の戸隠山は天の岩戸伝説の山です。その険しさと猛々しさは奈良のなだらかな山容の三輪山とは対照的です。奥社へ向かう巨大な杉並木の参道が静かに参拝者を見守ります。その戸隠神社の奥社から頂を望んだとき、この山の持つ神々しさを実感することができます。

背後にそびえる北アルプスに比べて決して高くはありませんがその姿は存在感があります。戸隠神社は修験道の寺と宿坊で発展し、明治以降は神仏分離により神社となるなど時代の流れで呼び名は変わりますが、古代の人々が聖別し大切にしてきた場所であることには変わりありません。

日本の神道には聖書や仏典のようなテキストがありません。どうやって太古の記憶を保存してきたのでしょうか?それは「場」であり、その「場」に住みながら毎年祭りでその記憶を伝えてゆく人々の存在が不可欠なんだなとあらためて発見した次第です。