富山の話題

夕闇迫る赤沢岳
夕闇迫る赤沢岳

スケッチの山は北アルプス後立山連邦の赤沢岳です。夏のスケッチですからおそらく今は銀世界でしょう。黒部ダムの平ノ渡小屋からのながめです。

富山の市電
富山の市電

昨年は北陸新幹線が開通。富山市役所の人曰く「北陸は東海道に遅れること50年!」というのはまんざらうそではないように感じます。こちらのスケッチは富山駅構内に接続している市電です。富山新幹線の駅と旧市街地をつないでいます。めんどくさいときは歩いたほうが速いかなっていう気持ちになってしまうぐらいのんびりしています。

 

渋谷 ホルモン 哲

看板娘
看板娘

渋谷駅徒歩2分の炭火焼肉ホルモン「哲」はいつもにぎわっています。知人のC氏より紹介していただいた、とってもいごこちのいい店です。ホルモンが苦手なひとでも臭みがないのでちょっと驚きです。鮮度がいいのです。

ホルモンはなぜか女性に人気です。内臓のどの部分なのか解説付きで山内さんがお肉を運んできてくれます。内臓の名前をきちんと聞くととってもグロテスクですが山内さんの解説と炭火で焼く香りで、食欲が湧いてきてしまいます。

学生時代、パキスタンのカラコルムの山岳地帯で少数民族(ワヒ族)の村を調査したことがあります。インダス河の上流にある村に二泊三日かけて氷河と岩山のトレッキング。村の人たちが道案内をしてくれます。明日は村に入るという手前の岩小屋で一泊したとき、村の人たちが歓迎会を開いてくれました。ごちそうは子羊です。

アッラーへのお祈りのあと、ちょうど台になる岩の上に子羊は押さえつけられ、ナイフで頚動脈が切られます。ぷるぷると痙攣しながらすぐにぐったりとしてしまいました。その後血抜き、毛皮を剥いで、あっという間にばらばらになり普段見慣れているお肉屋さんにあるような肉の塊になります。

さっきまでぴょんぴょんはねていた子羊が1時間もすると煮込み汁になってみなに配られました。一緒に同行した農学部の女子大生、子羊の解体を目をうるうるさせながら観ていたのですが、煮込み汁になったらうまそうにあっと言う間に平らげてしまいました。仲間の男子学生は高山病と食事が合わなくて寝込んでいたのですが女子力恐るべしです。

店長の大名さん
店長の大名さん

ところで、哲ではおまかせコースがおすすめです。まるで会席料理のようにいろんな部位の珍味が楽しめます。そして、〆のカレーライスは絶品です!

 

 

 

 

街道の蕎麦屋

武蔵五日市 そば屋魚鶴
武蔵五日市 そば屋魚鶴

JR武蔵五日市線の終点は秋川渓谷の町です。街道沿いの商店街は歩いて10分ぐらいで通り過ぎてしまいますが、そば屋にすし屋、八百屋、洋品店、靴屋、おもちゃ屋さんなどなんでもあります。小学生が社会科の授業でこの町の地図をつくったら生活に必要なお店を1日ですべて描き込むことができるくらいのサイズです。

駅から歩いて5分の秋川渓谷は清流と釣りが気軽に楽しめる素敵な場所です。またバスにのれば奥武蔵の低山ハイクや温泉が楽しめます。

写真のおばちゃんは武蔵五日市街道沿いのそば屋の女将さんで今年80歳になるとか。元気に毎日お店に立っています。週末のお昼時は結構みせは込みます。

武蔵五日市隣には障害者の集まりに参加してきたという車椅子の女子と付き添いのおばさんが同席したので一枚描いてさしあげました。この絵を描いていたら女将さんがわたしも描いて!というリクエストをいただき上の作品ができた次第です。

ちい散歩

御岳神社参道のそば屋
御岳神社参道のそば屋

東京都にも山岳信仰のメッカがあります。御岳山(みたけさん:929m)はケーブルカーもあって手軽に低山ハイキングが楽しめる山です。

山頂付近には、おそばやさんやおみやげ物屋さんがありちょっとした天空に浮かぶ集落になっています。写真のおばちゃんは御岳山神社の参道にある宝本店の女将さん。このお店はテレビの「ちい散歩」でも紹介されています。

残雪ののこる早春に御岳山神社を参拝したときにちょっと寄り道。今はなき地井さんもスケッチをした場所でおばあちゃんの似顔絵を描いたところ、お礼に生わさびをいただきました。わさびは御岳山の名物です。家に帰ってお茶漬けにしたら、香ばしくほのかにあまいわさび味を楽しむことができました。

奥黒部

奥黒部の山小屋 平の小屋
奥黒部の山小屋 平の小屋

夏になると北アルプスが恋しくなります。いまから7年ほど前、まだ息子が小学校4年生だったころ北アルプの針の木岳(2,821m)を一緒に登りました。父親の趣味にまだつきあってくれる年頃です。大学1年の夏に登り雪渓とカール地形と高山植物コマクサに魅了された思い出の山です。

また、針ノ木峠は戦国武将佐々成政(さっさなりまさ)が長久手の戦いで勝利した徳川家康に豊臣秀吉との徹底抗戦を進言するため厳冬期に峠越えした舞台としても知られる後立山連峰を代表する山です。

針ノ木岳の山頂から黒四ダムを見下ろすとその湖畔に平の小屋を見つけることができます。かつては越中富山と信州長野へぬけるマタギやイワナ漁師、商人が利用した山岳古道の一つでした。

今日のスケッチは黒部の谷底にある平の小屋から紺碧の空をながめている様子。まったく外界とは隔絶された別世界です。一泊してさらに黒部川の上流へと計画していましたが、湖畔でイワナ釣りや日長周囲の山をスケッチしていたらあっという間に一週間が過ぎてしまいました。

あなどれない少女

私だけが知っている
私だけが知っている

こどもはあなどれません。電車の中でスケッチしていても大人が気づくことはまずありません。そんな変なことをするひとが電車に乗っているはずがありません。とうぜん新聞やテレビで話題になったりもしません。

ところがこどもは違います。初夏の休日、京王線で高尾山にいったとき楽しそうな親子を目撃。さっそくスケッチをしていると左端のお姉ちゃんはあやしい人に気づきます。こちらは、サングラスに野球帽、ヘッドフォンをしているのでみるからの怪しい風体ですが、まわりのひとはまさかスケッチをしているとは思いません。

おねえちゃんは、いもうととおかあさんに自分の発見した今そこにある危機のことを耳元でささやきますが、信じてもらえません。なんと不条理な世の中でしょう。ふたりは能天気にこれから行く新緑の高尾山のことを話しています。おねえちゃんは目の前の不審者のことを一生懸命伝えようとしますが、しかし伝わりません。

たしかにこどもは変な常識にとらわれないので、とても鋭い勘が働くことがあります。おとなになるにしたがってそんな大切な勘が常識というノイズに埋もれてしまうのはなんとももったいないことだなと思った次第です。

 

山のあなた

北陸の霊峰白山
北陸の霊峰白山

「山のあなたの空遠く幸い住むと人は言う…」梅雨明け間じかになるとこのカール・ブッセの詩を思い出します。中学校のとき、夏休みのワークブックに蓼科高原の写真といっしょにこの詩が掲載されていました。

今日のスケッチは夏真っ盛りの白山(2702m)を中腹から見上げたものです。白山は山岳信仰のメッカでもあり、お花畑のみごとな北陸を代表する霊峰です。

火山の猛々しさと残雪、緑のハイマツそして入道雲のコントラストがたまりません。空と稜線の境目をえんぴつで追っかけているとその向こうにはなにか幸せがありそうな気がしてきます。

だいぶたってからカール・ブッセの詩の後半を知りました。

噫(ああ)、われひとゝ尋(と)めゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
「幸」(さいはひ)住むと人のいふ。

山の向こうには何かいいものがあるかと思ったらどうもそうではないようです。人のいったことをあてにしていたらロクなことないよということでしょう。そうはいってもやっぱり稜線の向こうにはなにかありそうです!