古代の聖地三輪山

三輪山を御神体とする
三輪山を御神体とする

奈良盆地の南東に位置する三輪山(標高461m)をご神体とする大神神社(おおみわじんじゃ)は、地元では大神(おおかみ)さんとよばれて親しまれています。大和国の一宮、もっとも古い神社のひとつで、三輪そうめん発祥の地です。大神神社でお祭りしているのは出雲の神様、大国主命(おおくにぬしのみこと)です。

同じように山がご神体の神社に諏訪神社があります。御柱(おんばしら)で有名ですが、こちらは守屋山(もりやさん)がご神体です。下諏訪神社の御祭神は大国主命の子どもの建御名方神(たけみなかたのかみ)です。出雲地で国譲りの後たどり着いた場所が諏訪です。

三輪山も守屋山もどちらも、とてもなだらかな稜線の山並みが印象的です。古代の日本人が聖別した形には共通のものが感じられます。

和歌山県 花巌神社(はなのいわやじんじゃ)
三重県熊野市 花窟神社(はなのいわやじんじゃ)

国づくりの女神イザナミノミコトの御陵といわれる三重県の熊野市にある花窟神社(はなのいわやじんじゃ)も古い神社で、ご神体は海岸から立ち上がった数十メートルの高さの山です。大国主命のご先祖さまがイザナミノミコトノのご主人だったイザナギノミコトですからこちらの聖地のほうが古いのかもしれません。

数千年前からの自然を崇拝していた聖地が各地に残っていてその場所にゆくことができ、現在でも地元の人々によって大切されているのは実は世界でも日本独自のものです。