沖縄のビーチでおばあたちが朝の沐浴をしています

沖縄の鎮守波上神社
沖縄の鎮守波之上(なみのえ)神社

土曜日の早朝、沖縄総鎮守、波之上(なみのえ)神社を訪れると虹がかかっていました。ハワイ島でも朝方よく虹を見ました。島の天気は気まぐれです。

海食崖の上の鎮座する神社の御祭神は女神イザナミノミコトですが、もとは琉球古神道の聖地でニライ・カナイ(異界)への祈りの場所です。

崖の中腹にある洞窟から先史時代の人骨が出ているそうです。沖縄では祈りをささげるのは巫女です。たいていはおばあです。

神社の位置するビーチは長さ150mほどの小さな入江で、今日はベタ凪、海面は鏡のように静かです。

白い砂浜で逆立ちしてヨガのポーズをとる中年男性、日課なのでしょうか自転車で来て海岸の防波堤でおしゃべりをする近所のじいさま達など思い思いに過ごしています。

しばらくすると、全身をすっぽり覆った黒い水着とオレンジの救命胴衣に麦藁帽をかぶったおばあ3人がおしゃべりしながらぞろぞろと海に入ってゆきます。胸ぐらいまでの深さのところまで3人はすすみそのまま楽しそうにおしゃべりしています。

普天満宮
普天満宮

こちらは、米軍海兵隊の普天間基地敷地のすぐ脇に鎮座する普天満宮です。ほこらの裏手には大きな鍾乳洞があります。さきほどの神社と同じイザナミノミコトが御祭神ですが、琉球古神道では日の神、ニライカナイ神(竜宮神)、グジー神(普天満女神)の3神が御祭神と由緒書きにあります。

古代の沖縄では洞窟や岩の割れ目は異界、あの世の境界地域として聖別された場所でした。その場所をニライ・カナイといいます。後に熊野権現信仰と結びつきます。

熊野権現信仰と結びついたその理由を、加治順人著「沖縄の神社」では「熊野の地はイザナミを葬った場所として知られており早くから死者の世界の入り口として信仰されていた」ことから、琉球のひとびとの民間信仰であるニライ・カナイ信仰と結びついたのだと指摘しています。

以前訪れた女神イザナミの葬られた花ノ巌谷神社とのつながりを発見した旅となりました。