庄太郎が得意げに女をつれている

美女

夏目漱石の夢十夜はとても魅力的な短編集です。第八夜の床屋のはなしはお気に入りです。散髪椅子に腰掛けた主人公が鏡に映る通りの様子を描写したおはなしです。

「庄太郎が女を連れて通る。庄太郎はいつの間にかパナマの帽子を買ってかぶっている。女もいつの間にこしらえたものやら。ちょっと解らない。双方とも得意のようであった。よく女の顔を見ようと思ううちに通り過ぎてしまった。」

美女2どんな女性だったか気になりますが、この庄太郎の趣味が第十夜で紹介されています。

 

「庄太郎は町内一の好男子こうだんしで、至極しごく善良な正直者である。ただ一つの道楽がある。パナマの帽子をかぶって、夕方になると水菓子屋みずがしやの店先へ腰をかけて、往来おうらいの女の顔を眺めている。そうしてしきりに感心している。そのほかにはこれと云うほどの特色もない。」

美女3共感する趣味です。今日のスケッチはとくに意味はありませんが、しきりに関心した結果のものです。。。

 

 

 

仲良し姉妹

仲良し姉妹
仲良し姉妹

年末年始の街の風景はいつもとちがって新鮮です。全員がおそろいのイエロー・マウンテンブーツを履いてる集団は目立ちます。一番右にいるのがおねえちゃんの娘さんで、疲れてしまったのか座席にうつぶせになっています。真ん中が妹さんでその隣が彼氏のようです。仲の良い姉妹チームは副都心線の渋谷で下車しました。

お正月の小田急線

こちらは60近いお父さんと奥さんです。小田急線で目撃しました。航空ジャンパーとゴーグラスにニット帽でおしゃれですが、奥様はきわめてトラディショナルな装いです。あえて一緒の格好は避けているのかもしれません。

ソラマチは大賑わい

やれやれのお姉ちゃん
やれやれのおねえちゃん

お正月は地元の商店街はひっそりとしていますが、東京スカイツリー付属の商業施設ソラマチは大賑わいです。年中無休ですから、正月のテレビに飽きたら出かけるにはちょうどいい場所かもしれません。

きょうのスケッチはスカイツリーに併設されている「すみだ水族館」のペンギンカフェのようすです。家族連れでいっぱいです。

高校生ぐらいのおねえちゃんは一生懸命ちびちゃんたちの面倒をみていますが、ちょっとため息をついています。まわりでは自分と同い年のカップルが楽しんでいるというのに!後ろの巨大なプールではアイドルのフンボルトペンギンが得意げに泳いでいます。

しばらくするとベビーカーを押しておばさんたちが帰ってきました。こもりをしてもらっていたちびちゃんたちはお母さんのところにもっどてゆきます。どうやらぶじ彼女のお正月のお勤めは終わったようです。

道玄坂上のバー

渋谷道玄坂上の隠れ家
渋谷道玄坂上の隠れ家

渋谷道玄坂上のバー「Bar Hasegawa Style」のカウンターに座っているとまるでテレビのバラエティーショーのようにいろんな人が出たり入ったりして眺めているだけであっという間に時間がたってしまいます。コースターに描いたイケメンは岳さんで今日は出勤日です。舞台の役者さんです。

みかんを届けてくれた
みかんを届けてくれた

岳さんの似顔絵に写っているみかんを差し入れしたのは嶋田さんです。絵のとおり気配りの人です。向かいのカウンターに座っていた黒いコートの良く似合う女性が会計をすませて帰ろうとしています。

熱血青年
熱血青年

入れ替わりに入ってきたのがちばてつやが描きそうな熱血青年です。そのすぐあとに入ってきたのは団体さんです。なにやらコンピュータのはなしをしています。大学の先輩と後輩のようです。

201512仲間
大学の先輩と後輩

そして0時近くになったら、きょうはとってもいいことがあったと幸せいっぱいの女性客が一人。遠距離恋愛している彼とひさしぶりに会ってじっくりとお話しができたのだそうです。

201512_hasesuta
しあわせなひと

数時間の滞在でしたが走馬灯のようにいろんなひとが通り過ぎてゆきました。まるでみんな昔からの知り合いだったようなそんな錯覚のする道玄坂の夜でした。

 

 

 

千住で2番 大はし 

相席になった邦さん
相席になった邦さん

金曜日夜の北千住はとにかく人であふれています。老若男女・ガテンもサラリーマンも学生君も、その雑多感はパワー全快です。そんな北千住に仕事帰りに偶然見つけたのが「千住で2番 大はし」。

引き戸を開けてみると中はものすごい活気です。しばらく待たされてからテーブル席に通されると、ぶっきらぼうなあんちゃんがビールを持ってくるが早いか、いきなり相席です。その時のスナップがこの邦さんです。

邦さん曰く、この店はとても有名でテレビでもよく紹介されるそうです。ご本人もいつか来ようとおもいつつ一人で来るのはちょっとと思って甥っ子の大ちゃんを誘っての初来店だそうです。

相席した大ちゃん
相席した大ちゃん

名物は「煮込み」と「肉豆腐」。食べログによると、もともとお肉屋さんで創業は1877年。東京三大煮込みの店のひとつなのだそうです。

金宮(キンミヤ)焼酎のボトルが壁一面に並んでいるのでお湯割りでもとおもって注文すると、れいの無愛想なあんちゃんが小さな皿の上に冷酒グラスをのっけて持ってきます。いきなりどばどばとグラスいっぱいにキンミヤを注いだあと、カキ氷にシロップをかけるようにびちゃびちゃと梅酒をまぶしているではありませんか!

25度の焼酎をストレートで相席した邦さんと数杯飲んで、その後の記憶は…定かではありませんが、なんだかきれいなひとのスケッチが残っていました。北千住おそるべしです。

北千住の居酒屋
北千住の居酒屋

 

 

歌謡曲居酒屋・バー「涙のリクエスト」

毎日が他人と同窓会みたいな居酒屋「涙のリクエスト」
毎日が他人と同窓会みたいな居酒屋「涙のリクエスト」

ないしょでノスタルジーに浸れる場所があります。最近都内ではひそかに増えているらしい「歌謡曲バー」。小田急と相鉄線のターミナル大和駅から徒歩1分の飲み屋街にある「涙のリクエスト」もそのひとつ。70-90年代のバブル直前の歌謡曲が50インチのスクリーンで楽しめます。一昔前のジュークボックスのビデオ版みたいなお店です。

洋楽なし、演歌なし、J-POPと定義されるまえの「歌謡曲」がテーマのかなりセグメントを絞り込んだお店です。お店のなかはシングルレコードのジャケットが所狭しと張ってあります。カウンターにいる男性はX-JAPAN、アン・ルイスなどハードロック系の歌を熱心にリクエストしています。

たぶん学生時代には友達にならないようなおじさんですが、40年以上時間がたってしまうと趣味の差より共通の世代経験のほうがフレームアップされてきてしまうので不思議です。テレビがお茶の間の王様だったころのアイドルたちが荒い画素のアナログテレビ画像のなかでピチピチしてます。

大和涙のリクエスト2こちらはかんばんむすめのよっちゃんです。

PCに向かいながら「「歌謡曲」の選曲をするマスター
PCに向かいながら「「歌謡曲」の選曲をするマスターの図

マスターはひたすら客筋をみながらの選曲に余念がありません。ところで、巣鴨のとげぬき地蔵商店街には60-80歳をターゲットにしたカラオケ屋さんがあります。歌のレパートリーは戦前の流行歌、唱歌、軍歌などです。特定の世代のひとがそれなりのボリュームで訪れる場所だからできるビジネスでもあります。

 

 

 

 

変わらぬ味の焼飯とタンメン

いつも変わらない味の焼飯と出会える
いつも変わらない味の焼飯と出会える

早稲田にはむかしながらの食堂が残っています。20年ちかく墓参のついでによる伊勢屋さんもそんなお店です。女将さんは「来年はもういないよ」といいながら今年も元気に焼飯(やきめし)とタンメンを運んできます。この焼飯とタンメン絶品です。さっぱりしていて昭和の味。食べてももたれず飽きが来ない。毎年食べるたびに、そうだこの味だと再発見します。

お客さんは近所のひとでいつもにぎやか。おばあちゃんたちはタンメンを注文して待っているあいだ女将さんとひとしきり世間話。仕上げのあんみつをデザートに長居する人もいます。

壁には2012年に100歳で亡くなった新藤兼人監督の座右の銘だった「生きている限り生き抜きたい」の額がかかっています。女将さん80過ぎても毎日店にでて元気に座右の銘を実践しています!

じょうずにぼうしの絵を描いた

じょうずにぼうし
じょうずにぼうし

今年はハットをかぶる人が多いのかなと思います。イギリスに行くと上のお嬢さんのような黒いハットはユダヤ教徒のひげを生やしたおじさんたちがかぶっています。彼女には宗教上の理由はなさそうです。

三十路のおねえさまたち
三十路のおねえさまたち

こちらのお姉さまたちは女子会の帰りでしょうか、盛んに最近結婚した共通の友達のはなしでもりあがっています、青いハットは黒髪を自慢するほどでもない年のひとにとっておしゃれな気分にしてくれます。

こちらもおしゃれなぼうし
こちらもおしゃれなぼうし

ぼうしは髪型を気にしないでおしゃれができます、南武線でみかけた彼女もとてもよくぼうしが似合っています。

 

不思議な空間が広がる自由が丘デパート

自由が丘デパート内のバー白搭
自由が丘デパート内のバー白搭

自由が丘にはふしぎな場所がたくさんあります。そのひとつが駅前の自由が丘デパート。昭和23年にできた建物は低い天井、3坪から10坪ぐらいの間取りの約100テナントがひしめいています。どこか秋葉原のラジオデパートと雰囲気がにています。これまでなんどか自由が丘に来たことがあるのに、しかも駅前なのにまったく気づきませんでした。

地下1階と地上1階がファッション雑貨、2階がレストラン、3階がレストラン・パブ・スナックなどバラエティーに富んだ不思議な空間がひろがります。

そのなかの1軒「白搭」の扉をあけてみると昭和の香り漂う世界です。昭和41年(1966)年から49年の歴史があり谷啓に似た愉快なマスターが出迎えてくれます。

谷啓似のマスター
谷啓似のマスター

お客さんも地元のおなじみさんです。19:00ぐらいに来店した秘書を連れた「会長さん」。自由が丘でも有名な行列のできるおBAKEのチーズタルトをお店の女の子にお土産です。なぜか小生もごちそうになったので御礼にスケッチをさしあげました。ビールとチーズタルト、食べてみるといい感じに合いました。ちょっと驚きです。

タルトをごちそうになった会長さん
タルトをごちそうになった会長さん

 

 

 

 

浜松の地元のひとでにぎやかな居酒屋六文銭

地元の人でにぎわう六文銭の看板娘
地元の人でにぎわう六文銭の看板娘

2009年以来6年ぶりの浜松。JR浜松駅周辺の再開発で遠鉄百貨店はきれいになり若いひとであふれています。以前と比べて繁華街も若者が増えたように感じます。

そんな繁華街でも地元の人でにぎわっていそうな店を探してみたらありました。引き戸を開けるとカウンターで男性客が晩酌しています。テーブルには同窓会でしょうか4人テーブルの男女が学生時代の話に夢中です。入れ替わり立ち回りおなじみのお客くさんがひっきりなしです。

20151107浜松スケッチをしていると隣の席のタッチャンとマッキーさんが覗き込んできたのでお二人を描いてさしあげました。

浜松市には男の子がわくわくするようなものがたくさんあります。バイクが好きならヤマハにスズキ。音楽も盛ん。天下をとりたいなら徳川家康が出世した浜松城があり、飛行機がすきなら航空自衛隊の浜松基地でブルーインパルスが飛んでいます。ちょうど明日11月8日が航空ショー(エア・フェスタ)なので予行練習をしていました。

徳川家康 しかみ像
徳川家康 しかみ像のメモ(2009)

以前、浜松城に行ったとき家康の「しかみ像」をみてなるほど家康は努力のひとだと感心したことがあります。

31歳三方ヶ原の戦いで武田軍にコテンパンに負けて恐怖のあまり脱糞してしまった自分を戒めるために描かせといわれています。

ところが、浜松市のマスコットキャラクターは「出世大名家康くん」です。うなぎのちょんまげ、鍵盤のはかま。激しくゆるいキャラクターになってます。